同乗者撮影動画に「やばい」の声 猪苗代湖事故、容疑者認識か

 

 会津若松市の猪苗代湖で昨年9月、プレジャーボートに突っ込まれた8歳男児が死亡、2人が重傷を負った事故で、業務上過失致死傷の疑いで県警に逮捕された東京都中央区、会社役員の男(44)の船の同乗者が航行中に撮影した動画に、異変に気付いて「やばい」などと慌てる関係者の声が記録されていたことが15日、捜査関係者への取材で分かった。動画には船がそのまま去って行く様子が写っていたという。

 操縦していた男は同乗していた約10人に「何も無かったよな」などと口止めしていたことも判明。県警は事故を認識した上で隠蔽(いんぺい)を図った可能性があるとみて調べている。発生当日、事情を聴かれた際は、全員が「気付かなかった」と説明。男は逮捕後の調べに「身に覚えがない」と容疑を否認している。

 捜査関係者によると、今月6日が犠牲者で千葉県野田市の小学3年、豊田瑛大(えいた)君=当時(8)=の一周忌だったが、県警に動画が提出されたのはその後だった。事故を起こした船の特定に至っていなかったが、動画をきっかけに捜査が進展。14日の容疑者逮捕につながったという。

 事故は昨年9月6日午前11時ごろに発生。男はボートを操縦中、水上バイクにつないだ浮具に乗るため水面で順番待ちをしていたグループに突っ込み、瑛大君を頭部外傷で死亡させ、母親の両脚が切断されるなど2人に重傷を負わせた疑い。県警は15日、男を送検した。

 周囲に「捕まるかも」

 関係者によると、男が事故当日に操縦していたプレジャーボートは男自身が管理し、会社関係者ら10人近くが乗っていたとみられている。男の知人は、事故後の男について、「周辺に『覚えがない』と語っていたが、『警察から事情を聴かれて捕まるかも』とも話していた」と明かす。

 知人によると、男は過去に猪苗代湖を何度も訪れ、水上バイクなどのレジャーを楽しんでいた。

 いわき市に本社がある建設関連の会社を経営し、普段は支店がある東京都と、いわき市を行き来していた。