「抗体カクテル」40機関 新型コロナ、ウイルス増殖抑制に効果

 

 県は15日、新型コロナウイルス感染症の治療に使う抗体カクテル療法について、県内の新型コロナ患者受け入れ医療機関42カ所のうち、40カ所で投与できる態勢が整ったと明らかにした。35カ所(10日時点)で投与実績があり、患者の病状が改善したという。15日、県庁で開いた県感染症医療調整本部会議で示した。

 県によると、抗体カクテル療法では「カシリビマブ」と「イムデビマブ」という2種類の抗体を混ぜ合わせた薬剤を使用する。2種類の抗体がウイルスに結合して増殖を抑制する効果があり、基礎疾患があるなど重症化リスクのある患者に、発症から早い段階で投与して重症化を防ぐ。酸素投与が必要になるなど重症の患者には使用しない。

 県内で8月に陽性と判明した2951人のうち中等症以上は722人で、20~30代は34.8%に当たる251人、40~50代は40.8%の295人と、若年層でも重症化リスクが高まっている傾向にある。県は抗体カクテル療法について「重症患者用の病床は49床と限りがあり、患者を受け入れきれなくなると命の危険もある。患者、医療機関にとっても重症化を防ぐため有用だ」としている。

 現状では入院患者に限定して投与しており、県は病床確保の観点から、抗体カクテル療法を受けた患者がスムーズに宿泊療養施設に移れるよう調整するほか、外来診療でも抗体カクテル療法を使用できるよう検討する方針だ。

 抗体カクテル療法を巡っては、県内医療機関は投与するたびにメーカーに薬剤の供給を依頼しているという。発注から納品まで2日程度かかることから、県は国と連携して医療機関の在庫量を調整しており、県全体で常時、約400回分の薬剤を確保している。1箱につき投与2回分の薬剤が入っているが、開封後48時間以内に使用する必要があるため、効率的な投与が課題になっている。