葛尾・大笹地区に酪農施設 23年春稼働、500頭飼育できる牛舎

 
葛尾村が整備する酪農施設のイメージ画

 葛尾村は大笹地区に酪農施設を整備する。約500頭を飼育できる牛舎や搾乳機器などを設け、震災と原発事故からの農業再生を進める。2023年4月の稼働開始を目指す。

 15日開会した村議会に施設整備の関連予算を含む本年度一般会計補正予算案を提出した。

 村によると、大笹地区の敷地約4.7ヘクタールに搾乳用、育成用、哺育用、搾乳を休ませる乾乳用のそれぞれの牛舎一式のほか、自動で搾乳できるロボットなどの関連設備を整備する。搾乳牛200頭、乾乳牛40頭、育成牛260頭の計500頭規模を飼育する予定で、年間約2400トンの生乳の生産を見込む。10人の新規雇用も目指す。総事業費は約22億円で福島再生加速化交付金を活用する。

 施設には堆肥舎も整備し、牛のふんから良質な堆肥を製造。地域の農家に供給する耕畜連携を進め、原発事故で失われた地力を回復し、農業復興につなげる。飼料生産の拡大や地力回復などで村外に避難する農業者らの営農意欲を高めたい考え。

 村によると、震災前の10年度、村内では酪農家2戸が170頭を飼育していた。現在は1戸が営農しており、今回の施設整備により村内の搾乳・乾乳牛の総数は300頭ほどになる。整備した施設は村が地元農家に貸し出す。

 大笹地区は村東部にあり、原発事故による避難指示が16年6月に解除された。村地域振興課は「酪農施設が村の営農再開のシンボルになることを願っている」としている。