廃校活用「磐城高箸」社屋 市民に開放人気に、憩いの場や避難所

 
磐城高箸で開かれた乗馬体験とコスプレ撮影会

 廃校の利活用が各地で課題となる中、古い木造校舎の雰囲気が残るいわき市田人町の磐城高箸が、市民らの憩いの場として根強い人気を見せている。社長の高橋正行さん(47)は「会社が校舎を所有しているんだという雰囲気がないのがいいのかも」と人を呼び込むヒントを語った。

 地元の間伐材を活用して高級割り箸や鉛筆などを一貫製造する同社は、旧田人二小南大平分校を改修し、2019年2月に移転、操業を開始した。

 廃校の利活用で高橋さんが大切にしたことは、地域住民の宝物である校舎の雰囲気や思い出を可能な限り残し、地域に開かれた場とすること。

 予約なしで自由に工場を見学することができるほか、これまでには、給食を味わいながら交流を行うイベントやリサイクル着物の展示会などを開いてきた。体育室・講堂だった「南大平分校交流サロン」は地域の避難所としても利用される。

 5日はホースクラブ田人の乗馬体験と、ゲームやアニメなどになった作品「ひぐらしのなく頃に」をテーマにしたコスプレ撮影会が同時に開かれた。撮影会に参加した男性カメラマンは「さまざまなロケーションで撮影できて面白い」と木造校舎の魅力を語った。

 高橋さんは、乗馬とコスプレの組み合わせを笑顔で眺めながら「会社だけではこの校舎を持て余してしまう。森林や林業にも目を向けてもらえるよう、ふらりと立ち寄れるこの感じを大切にし続けたい」と話した。