東大・川口寧教授選出 野口英世記念医学賞、単純ヘルペス研究

 

 野口英世記念会(猪苗代町)は16日、第64回野口英世記念医学賞に東京大医科学研究所教授の川口寧(やすし)獣医学博士(54)を選出したと発表した。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、授賞式は行わない。

 受賞研究課題は「ヘルペスウイルスの増殖および病態発現機構に関する分子生物学的研究」。川口氏は主に、人が感染すると唇に痛みを伴う水ぶくれを引き起こす、「単純ヘルペス」について研究。長年の謎とされてきた、ウイルスが生物の免疫を回避して再発を繰り返すメカニズムを明らかにした。

 ヘルペスウイルスの発見から100年がたった現在も、ワクチン開発は実現していない。川口氏の研究は、ワクチンの開発やヘルペスウイルス感染に起因する脳炎の新規治療法の確立に向け、重要な知見となることが期待されている。

 川口氏は東京大大学院農学生命科学研究科博士課程修了。日本獣医学会獣医学奨励賞、小島三郎記念文化賞などを受賞している。東京大医科学研究所アジア感染症研究拠点長、同研究所感染症国際研究センター長も務めている。