会津の酒蔵、都内に遠隔接客 実証事業、「対面と変わらず」6割

 
東京のTISオフィスと名倉山酒造を結んだ遠隔接客の様子

 会津若松市に拠点を置くシステム開発のTIS(東京都)が、会津地域の酒蔵と同社の都内オフィスをオンラインで結ぶ「遠隔接客体験」の実証事業に取り組んでいる。同社によると、高さ、横幅ともに2メートルを超える大型3面モニターに映像を映すことで、参加者が実際に酒蔵を訪れたような感覚を味わえる。接客を受けた人の6割以上が「対面と変わらない体験ができた」と評価しているという。

 同社によると、新型コロナウイルス感染拡大の影響で地方の事業者と都市部の消費者が直接話す機会が減っていることから、遠隔での接客に着目した。実証は11月まで続く予定で、同社の担当者は「購買意欲が高まるかどうかなどを検証し、ほかの地域や業種への遠隔接客の拡大を目指したい」と話している。

 実証には、同社が会津若松市にオフィスを置く縁から、会津若松市の名倉山酒造と鶴乃江酒造、磐梯町の榮川酒造が参加している。東京都江東区のTIS豊洲オフィスと各酒蔵を結び、8月までに3回の体験会を開いた。オフィス来訪者やTIS社員ら計45人が接客を体験。体験者のアンケートではコミュニケーションの質について、29人(64%)が「対面と変わらないくらい」、16人(36%)が「対面には劣るが十分とれた」と答えた。

 「お酒を買いたくなったか」を尋ねたところ、「とても思った」が27人、「思った」が17人で計44人に上った。「会津に行きたいと思ったか」との質問には、45人全員が「とても思った」(30人)か「思った」(15人)と回答した。

 接客側で参加した名倉山酒造の松本善六社長は「会社にいながら、お客さんにお酒の魅力を伝えることができて楽しかった」と話し、新たなPR方法として期待を寄せた。