時短終われる、でも緩めず 福島県内56市町村、対策解除へ

 
店の営業時間変更のボードの入れ替えをする三本木さん=須賀川市

 新型コロナウイルス感染拡大に伴う県独自対策の解除が決まった17日、対象となる56市町村の飲食店関係者からは、通常営業へ戻る一歩となることに安堵(あんど)の声が漏れた。感染拡大への警戒感から、引き続き感染対策を徹底するとの声も聞かれた。

 「希望の光が見えてはきた」。須賀川市の「旬彩酒肴みはらし」の店主三本木善徳さん(55)は、解除決定に一安心しながらも「リバウンドを繰り返しながら少しずつ(元の社会へ)回復していくのでは。(不安の)雲散霧消(うんさんむしょう)の喜びとまではいかない」と述べた。

 営業時間短縮要請に従い午後8時としていた閉店時間は、21日からひとまず午後10時に戻す。当面は団体の場合は貸し切りを検討するなど、感染防止策を緩めずに営業する。

 「大きな緩みが出れば、感染再拡大の危険もある。店とお客さまと、さらに社会全体の取り組みが大切だと思う」と表情を引き締める。

 「時短要請も解除も直前に決まり、いつも振り回される。これで最後にしてほしい」。喜多方市で「壱席参頂、UTAGE屋どっと」を経営する新明孝宏さん(45)はこの日、県独自対策の解除決定を受け、急きょ営業再開に向けて社員と打ち合わせをした。

 昨年から国や県の要請に従い感染拡大防止に協力してきた。「協力金や融資のおかげで何とか続けてられるが、食材を仕入れている業者で廃業を決めた話も聞く。寂しいね」と複雑な心境を明かす。

 営業再開に向け、解除は一歩前進と捉えるが、不安は尽きない。「コロナ前のように客足が戻る保証はない。ワクチン接種が進み、安心してお店に行ける世界が来ることを願うだけ」

 住民も解除決定を前向きに受け止める。南相馬市の自営業小林正人さん(36)は「感染対策は必要だが、外に出る機会を増やして少しでも飲食店に貢献できれば」と歓迎。国見町の玉手美和さん(44)は「家族みんなで料理を囲んで食べるという風景に少しずつ戻ることに期待したい」と話す。

継続のいわき「仕方ない」

 一方、まん延防止等重点措置の適用が今月末まで継続されるいわき市の「和食酒場AFRO(アフロ)」の代表若松佑樹さん(37)は「(再開を)待ち望む人のことを思うと正直残念だ」と胸の内を語る。措置を受け、既に1カ月以上休業中。市内の感染状況などを踏まえ「感染拡大は繰り返されるものと考え、状況に左右されない体制が必要だと思う」と提起する。

 同市の主婦瀬戸真子さん(29)は、感染が収束しない中での措置の継続に「仕方ないことだと思う」と理解を示す一方で「連休が控えていることもあり、人の流れが多くなることが心配。いわきだけの制限で大丈夫なのか」と疑問を口にした。