福島県内の半数超「下落」 基準地価、10市全用途平均マイナス

 
商業地で最高価格となった郡山市中町周辺

 県が21日発表した県内地価(基準地価)調査結果によると、調査した527地点のうち282地点が下落し、2年連続で下落が半数以上を占めた。上昇と横ばいはともに111地点だった。

 用途別平均変動率をみると、13市は住宅地がマイナス0.1%(前年比0.2ポイント増)、宅地見込み地マイナス0.2%(同0.3ポイント増)、商業地マイナス0.1%(同0.4ポイント増)、工業地0.0%(同0.4ポイント増)。

 全用途平均はマイナス0.1%(前年比0.3ポイント増)。郡山市が1.3%と改善したものの、0.2%の福島市(同0.3ポイント減)と0.0%の須賀川市(同0.4ポイント増)を除く10市でマイナスだった。

 町村平均は、住宅地がマイナス1.1%(前年比0.2ポイント減)、商業地同2.2%(同0.5ポイント減)、工業地0.1%(同0.1ポイント増)。全用途平均はマイナス1.3%(同0.3ポイント減)だった。

 基準地点の1平方メートル当たりの平均価格は、住宅地が2万3400円(前年比100円増)、商業地が4万5600円(同100円減)。

 最高価格は、住宅地がJR郡山駅と郡山市役所の中間に位置する同市神明町2の15で12万2000円(同1万1000円増)、商業地がうすい百貨店の通り沿いにある同市中町11の4で24万7000円(同7000円減)となり、いずれも前年と同地点だった。

 【住宅地】7市町村変動率プラス

 住宅地は216地点で下落し、2年連続で半数以上を占めた。上昇は75地点、横ばいは82地点。市町村別の平均変動率は富岡町が1.7%と前年より上昇率が縮小したものの、3年連続で1位。復興・廃炉関連事業に伴う宿舎用地などの需要が要因となった。

 8年連続となった福島市(0.4%)をはじめ、県内7市町村がプラス。新型コロナウイルスの影響は顕在化しておらず、郡山市、大玉村は上昇率が拡大した。須賀川市は前年のマイナス0.2%から、0.1%とプラスに転じた。伊達市柳内の基準地は、東北中央道「相馬福島道路」の全線開通や、大型商業施設の出店への期待感から、5.3%と上昇率が拡大した。

 一方、マイナスは46市町村で、横ばいは4町村。伊達市梁川町字大町でマイナス7.1%など、東日本台風で浸水被害が出た地域の需要の減退傾向が続く。また、阿武隈山系や会津地方の町村で下落幅が大きく、矢祭町がマイナス3.4%で1位。2位に金山町(マイナス2.8%)、3位に西会津町(マイナス2.6%)と続いた。

 主要4市の平均価格は、郡山市5万300円(前年比1400円増)、福島市4万2600円(同300円増)、いわき市3万8100円(同100円減)、会津若松市3万6700円(同100円増)となった。

 【商業地】上昇率最高は郡山1.2%

 商業地は全体の約6割に当たる59地点で下落。平均変動率がプラスになったのは、9年連続のいわき市、2年連続の浪江町と、前年はマイナスだった郡山、伊達両市の4市町にとどまった。3市町村で横ばい、31市町村がマイナスだった。

 上昇率が最も高かったのは郡山市で1.2%(前年比2ポイント増)。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、JR郡山駅前の飲食店街は下落傾向にある一方、新型コロナ収束後を見据えた事業展開を背景に、事務所系や路線沿いの商業地などで取引価格の上昇がみられた。

 2位のいわき市(0.9%)でも住宅混在型の商業地で底堅い需要があり地価水準を維持。3位浪江町(0.8%)では国道沿いを中心に事業所再開の動きが出ている。

 下落率が最も高かったのは北塩原村で、マイナス5.0%(前年比0.9ポイント減)。裏磐梯の観光地が新型コロナ感染拡大の影響を大きく受け、下落率が拡大した。2位は猪苗代町(マイナス4.8%)、3位は西会津町(マイナス4.3%)と、人口減少や都市部への顧客流出により下落が進んでいる。

 主要4市の平均価格は、郡山市8万8300円(前年比500円増)、福島市7万1000円(同200円増)、いわき市6万100円(同500円増)、会津若松市4万6000円(同600円減)だった。