現代文明へ警鐘 福島・波汐國芳さんの作品 広島「原爆忌」朗読

 
波汐國芳さん

 「稲妻が闇を走るを 福島の海が見えるか いのち見えるか」(歌集「警鐘」)―。現代文明に警鐘を鳴らす作品で知られる歌人で、県歌人会顧問、民友歌壇選者などを務める波汐國芳さん(96)=福島市=の短歌と詩、計30作品以上が、広島原爆忌の8月6日、広島市で開かれた平和を祈る二つの集いで朗読された。

 波汐さんの短歌は、広島市の歌人東木の實さんが今春、現地の市民団体「『世界の命=広島の心』を歌おうよの会」に紹介。「東日本大震災そして原発事故後の絶望の日常から立ち上がってくる歌の数々に心打たれた」と言う渡辺朝香代表らが、福島の思いと広島に眠る被爆者の声に耳を澄まそうと、8月6日の朗読を企画した。

 当日は、広島平和資料館周辺2カ所で同会などが開いた「生命の詩を奏でる2021」「バーバラ・レイノルズの碑前の集い」で、波汐さんの大震災後の歌集「渚のピアノ」「警鐘」「鳴砂の歌」から、「水仙の喇叭に呼ばん草深野セシウム深野に埋もれぬ心」(「鳴砂の歌」)など35首、詩1編が歌われた。

 波汐さんは「原発など現代文明が行き過ぎると、人類は破滅するのでは、という危機感を歌に込めてきた。その思いが広島の人々に届けられ名誉に思う」と話している。