「請戸小」10月24日開館 浪江の震災遺構、記憶と教訓を伝承へ

 
10月24日に開館する震災遺構「請戸小」=22日、浪江町請戸

 浪江町が震災遺構として町内の請戸字持平に整備を進めてきた「請戸小」が10月24日に開館する。東日本大震災の津波で被災した当時の姿を残す校舎で、児童や教職員の被災体験などを紹介し、震災と東京電力福島第1原発事故の記憶と教訓を伝承する。

 震災遺構は震災で倒壊した建物などを取り壊さずに保存し、後世に伝えるための施設。宮城、岩手両県では整備・公開されてきたが、本県では初めてとなる。

 請戸小は海岸から300メートルほど離れた沿岸部に位置する。津波は校舎2階の床面まで到達し、1階は全て押し流された。校舎には当時、1年生を除く児童82人と教職員14人がいたが、近くの高台に避難するなどして無事だった。ただ、小学校のある請戸地区では154人が犠牲になった。

 請戸小も開館後に一般公開される。校舎には、むき出しの鉄骨や、津波到達時刻の「午後3時37分」で針が止まったままの時計など生々しい爪痕が残る。学識者や町民らでつくる検討委の提言を踏まえ、町は児童や教職員の避難状況のほか、地域の歴史などを紹介するパネルを設置する。総事業費は約3億5000万円。

 請戸小周辺には震災の犠牲者が眠る大平山霊園(浪江町)や鎮魂の場「先人の丘」(同)がある。南側には浪江、双葉両町にまたがる復興祈念公園と、東日本大震災・原子力災害伝承館(双葉町)が立地しており、一帯が震災と原発事故の記憶伝承の場となる。