農業通し脱炭素実現へ、川俣の法人 バイオ炭使った野菜栽培成果

 
学会の冊子を手に「科学肥料に頼らない有機農業を推進したい」と話す菅野さん

 16、17の両日にオンラインで開かれた木質炭化学会主催の研究発表会で、一般社団法人「次世代産業創出構想」(川俣町)が取り組んでいる、植物を炭化させて作る土壌改良材「バイオ炭」を使った野菜の実証栽培の成果が発表された。同法人理事長の菅野文吉さん(69)は「活動の成果が学会で発表されたことは一つの節目。実証結果を検証し、次の活動につなげていきたい」と話した。

 同法人は、地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)の抑制が期待されるというバイオ炭を使った農業で脱炭素社会の実現を目指している。実証栽培では、同町山木屋地区のほ場で、稲作に伴い大量に排出されるもみ殻を使ったバイオ炭「もみ殻くん炭(たん)」を土壌に混ぜて使用し、トマト、ピーマン、ナス、キュウリを栽培してきた。

 発表会では、同法人の取り組みを監修している吉沢秀治明星大名誉教授が成果を発表した。吉沢氏によると今回の実証栽培では、60キロのもみ殻くん炭を使用し、約92キロのCO2の排出を抑えられた。さらには、もみ殻くん炭の使用量が多いほど、野菜の収穫数も増えたという。同法人は成果を踏まえて土壌を改良し、栽培面積を増やしていく計画だ。

 菅野さんは「バイオ炭を使った農業を通じて福島の復興や再生を実現させ、実証栽培で確立したノウハウをこれからの農業を担う若い世代に継承していきたい」と未来を見据えている。