「コメの乾燥貯蔵施設」稼働 浪江・苅宿地区、農業再建に期待

 
完成した浪江町苅宿地区のカントリーエレベーター

 浪江町が同町苅宿地区に整備してきた大規模農業施設「カントリーエレベーター」が22日完成し、稼働を始めた。町内で収穫されたコメの乾燥や選別、貯蔵などを集約して行う施設で、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの農業再建につながることが期待されている。

 原発事故により避難を余儀なくされた浪江町では、農家が営農再開する際に農機具などを更新しなければならないという課題があった。町は、基幹産業である農業振興を後押しするため個々の農家の負担軽減につながるカントリーエレベーターの整備を町内の苅宿地区と棚塩地区で進めてきた。

 苅宿地区の施設は、水稲の作付面積約300ヘクタールに対応することができる。同日に現地で行われた落成式では、吉田数博町長が「震災前のように、黄金色に輝く稲穂の波が見られる景観を取り戻すことが、町民帰還とにぎわいにつながる」とあいさつした。テープカットに続き、吉田町長と施設を管理するJA福島さくらの管野啓二組合長が、施設稼働のボタンを押した。

 町は3月にまとめた第3次復興計画で、2025年度の水稲作付面積を703ヘクタールにする目標を掲げている。震災前の10年度の町の作付面積は1250ヘクタール。原発事故の避難指示が一部地域で解除された17年度が約2ヘクタールで、本年度は約170ヘクタールにまで拡大している。整備中の棚塩地区のカントリーエレベーターは、10月中旬ごろに完成する予定になっている。