J2資格取得が鍵に 好調の福島ユナイテッド、絶好の昇格機会

 

 サッカーJ3の福島ユナイテッドFCが今季18試合を終え、10勝2分け6敗で3位とJ2昇格(2位以内)争いを続けている。リーグ2位の27得点を挙げるなど攻撃陣が好調なことがチーム上昇の要因。ただ、福島はJ2で戦うために必要な資格「クラブライセンス」を得ておらず、成績だけでなく資格を取得できるかが鍵となる。交付決定は今月末の見通しだ。

 細かい点も基準

 J1、J2の資格は独立した第三者機関で審査される。〈1〉競技基準〈2〉施設基準〈3〉人事体制・組織基準〈4〉法務基準〈5〉財務基準―の五つで評価され、交付が決まる仕組み。J2の資格はホームスタジアムの照明設置など設備面から、収容人数に見合うトイレの数や屋根の大きさなど細かい点まで定められている。

 福島のホームスタジアムであるとうほう・みんなのスタジアム(福島市)に照明が設置されることが決まったことで、福島は6月末に申請書類を提出したが、審判控室の設置や座席数の不足などさらなる改修が必要となっている。下部組織であるU―18(18歳以下)のユースチームの活動実績なども満たしておらず、現状では資格取得は厳しいとの見方もある。

 条件付きの特例

 条件が整っていない中でも資格を取得できるのか。近年、特例として認められるケースが出ている。今季J2に参入したSC相模原(神奈川県)はホームスタジアムの施設基準を満たしていないが、「例外適用申請」として5年以内に新たなスタジアムを建設するとの条件付きで取得。ほかにも三つのクラブが例外適用申請で資格を得ている。

 福島は来季の開幕までにホームスタジアムの改修を行い、ユースチームも来年4月から公式戦ができるように準備を進めるとした上で、例外適用申請をした。

 大きい経済効果

 J2からJ1などカテゴリーが上がることでの経済効果は大きく、J2昇格でも表れる。2019年にJ2に上がった鹿児島ユナイテッドFC(現J3、鹿児島市)は、昇格1年目のホーム戦での経済効果が前年の2倍以上となる約88億2600万円に上った。20年にJ2に参入したギラヴァンツ北九州(北九州市)については、日銀北九州支店が「最大で10億円以上プラスされる」との試算を公表している。試合数が10試合程度増え、対戦チームのサポーターが来て宿泊・飲食することなどが要因だ。

 J2に昇格すればJリーグからの分配金も現在の5倍に当たる1億5千万円が支給される見込み。福島を運営するAC福島ユナイテッドの鈴木勇人社長は上位争いを続けるチームのためにも「このチャンスを逃したくない」と資格取得への強い思いを口にした。(報道部・坂本龍之)