五輪の都市ボランティアが案内、福島県が12月にオンラインツアー

 

 県は、東京五輪の会期中に県内で観光や交通案内を担う予定だった「都市ボランティア(愛称・シティキャスト)」が案内人となり、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興の様子や本県の名所を発信するオンラインツアーを12月にも開く。無観客開催で活動の場を失ったシティキャストに本県の魅力を伝えてもらい、新型コロナウイルス収束後の観光誘客と五輪レガシー(遺産)の構築につなげる。

 東京五輪では、あづま球場(福島市)で行われた野球・ソフトボール競技が感染拡大で無観客となり、登録していた1781人のシティキャストは活動中止を余儀なくされた。復興五輪が掲げられたものの、来場者に向けた復興に関する情報発信も不十分となり、内堀雅雄知事は東京五輪後に「不完全燃焼」との見方を示していた。

 シティキャストは約2年間にわたり、研修などを通して「おもてなしの心」や案内に必要な技術を磨いた。オンラインツアーではこの経験を生かし、震災と原発事故から10年が経過した本県の現状や、熱戦が繰り広げられたあづま球場周辺の観光名所などを発信してもらう計画だ。

 オンラインツアーは「対話型」と「視聴型」の二つを企画。対話型ではシティキャストのほか、野球・ソフトボール競技の選手やスタッフと、参加者が会話することなどを想定。視聴型は都市ボランティアによるあづま球場周辺の案内や、浜通り、中通り、会津の観光案内の動画視聴を予定している。

 いずれも、参加者に事前に県産品を送り「福島」を感じてもらう。オンラインツアー終了後は、ツアー動画の短編版と翻訳版をインターネットで公開する予定で、県は「コロナ収束後、本県に実際に訪れ、魅力を体感してほしい」(観光交流課)と期待する。

 県は9月定例県議会に関連経費3050万円を計上している。24日の代表質問で、自民党の矢吹貢一議員(いわき市)の質問に国分守観光交流局長が答えた。