パッと分かる広がるピクトグラム 学校、観光、感染対策...活用進む

 
光南高の校舎内に設置されているピクトグラム(右)

 東京五輪・パラリンピックで話題を集め、「ピクトグラム(絵文字)」への関心が再び高まっている。観光地や学校、そして感染拡大が続く新型コロナウイルス対策まで。五輪を機に誕生したデザインもあり、県内でもさまざまな場所で活用が進んでいる。

 生徒や教師らが行き交う光南高(矢吹町)の校舎内。校長室や生徒会室、放送室などの入り口に、シンプルな絵柄のピクトグラムが掲示されている。2019年、当時の1年生約30人がパソコンの画像編集ソフトなどの使い方を学ぶ授業の中で制作した。その数は約30種類。生徒や教師のほか、パッと見て分かりやすいと来校者らにも好評だ。

 「デザインが複雑になると分かりにくいので、シンプルなマークでどの教室か分かりやすいようにこだわった」と話すのは制作に参加した水野谷咲英さん(3年)。社会科研究室のピクトグラムを制作した有賀里麻さん(同)は「社会系の教室なので地球をイメージして緑色を基調にしてみた」と、色にも工夫を凝らした。有賀さんは「幼稚園や外国人が集まる観光地など、日本語を読むことが難しい人に対しても形で伝えるピクトグラムが増えるとうれしい」と一層の浸透に期待する。

 福島河川国道事務所は東京五輪・パラリンピックに合わせ、福島西高デザイン科の生徒からアイデアを募って福島市を流れる荒川周辺の名所などをピクトグラム化した。東京五輪野球・ソフトボール会場となったあづま球場を訪れる外国人に、11年連続水質日本一の清流の魅力を発信しようという取り組みの一環だ。無観客で行われた五輪には間に合わなかったが、早ければ10月にはあづま球場や水林自然林など荒川沿い約30カ所の看板で活用する計画だ。

 同国道事務所の担当者は「コロナ後は、五輪で福島やあづま球場を知って訪れる観光客も増えると期待している。(ピクトグラムを通じ)福島の魅力の発信につながれば」と話す。

 ピクトグラムは新型コロナ対策でも活躍する。県は昨年、国が示した新型コロナ感染対策の「新しい生活様式」の実践例を基に27種類のピクトグラムを作製し、ホームページで公開した。

 「テークアウトの実施」「テレワーク」「距離を取る」など。ピクトグラムを選んでオリジナルポスターを作れるシステムも他自治体に先駆けて構築した。県によると、ピクトグラムを使用したポスターは飲食店などで活用されており、県外からも、使用の許可に関する問い合わせがあったという。現在は29種類に拡大している。ダウンロード数は把握していないというが、県の担当者は「全国への広がりもあった」と話している。