企業の福島県内移転、社員引っ越し費用補助 1人最大100万円想定

 

 県は本年度、首都圏などの企業が本社機能を本県に移転する際にかかる従業員の転居費用の一部を補助する制度を新設する。1人当たり100万円を上限に補助する方向で調整中で、企業立地補助金など既存の優遇措置に新たな補助制度として上乗せする。コロナ禍で地方への関心が高まる中、企業の県内移転を促し、雇用の確保や交流人口の拡大につなげる。

 制度の詳細は今後詰めるが、調査・企画部門や研究開発部門など本社機能の移転に伴い、企業は従業員1人当たり100万~150万円程度の転居費用を負担しているという。このため、県は住居の用意や引っ越しなどの際に企業が負担する費用を補助することで、県外進出を模索する企業を県内に引き込みたい考えだ。

 企業の県内移転を巡り、県は「ふくしま産業復興企業立地補助金」を設けて生産拠点の新設などを促してきた。地方に本社機能を移転する企業に対する国の税制優遇制度も活用し、直近5年間で11社が本県に本社機能を移転しているという。県は年度内に4社程度が本社機能の一部を県内に移すと想定し、9月定例県議会に関連経費900万円を計上した。

 本社機能の移転は、企業の「東京一極集中」の是正と地方活性化を目的に政府が推奨。新型コロナウイルスの拡大でテレワークやウェブ会議など働き方が広がり、地方移転への機運が醸成されつつある。

 帝国データバンクによると、今年1~6月の上半期に東京、埼玉、神奈川、千葉の1都3県から本社機能を移した企業は186社に上り、過去10年間で最も多かった。通年でも1990(平成2)年以降で最多だった94年の328社を上回る可能性があり、県は「地方移転の流れが加速する中、優遇措置を拡充することで本県の魅力を発信し、本社機能の県内移転を促進していく」(企業立地課)としている。

 27日の代表質問で、県民連合の高橋秀樹議員(福島市)の質問に安斎浩記商工労働部長が答えた。