広野町、原発事故避難準備解除から10年 若者の移住、定住に重点

 
津波被害からの復興が進むJR広野駅周辺

 広野町は30日、東京電力福島第1原発事故に伴う緊急時避難準備区域の解除から10年を迎えた。町内の認定こども園や学校に通う子どもの数は905人(8月1日現在)で、東日本大震災前の2010(平成22)年度と比べ約230人増えた。津波で被害を受けたJR広野駅周辺の復旧事業はほぼ完了し、町は10月から移住・定住の促進など復興に向けた新たな取り組みを始める。

 町によると、8月末現在の町内居住者は4260人で、避難者を含む人口の9割を超えた。子どもの数の増加は、15年のふたば未来学園高と19年のふたば未来学園中の開校が追い風となった。サッカー選手を育成するJFAアカデミー福島の男子も4月に町内で活動を再開しており、50代の団体職員の女性は「一時は子どもの姿が消えた町に活気が戻った」と語る。

 一方、町内居住者に占める65歳以上の割合は約2割だった震災時から3割を超えるなど高齢化が進む。町は「若い世代を呼び込む取り組みが重要」とし、移住・定住の促進を重点施策の柱に据え、10月1日に役場内に移住相談窓口を開設する。相談員1人が常駐し、移住を希望する人に仕事や住居に関する情報を提供するほか、オンラインで相談を受け付ける予定。広野駅東側に移住者向けの住宅地の整備も進める。

 遠藤智町長は「第2期復興・創生期間の新たな10年に向け、被災地に希望の未来を築けるよう取り組む」と話した。