新総裁に岸田氏、立役者は根本氏 陣営の事務総長、綿密な戦略

 
側近として岸田氏を戦略面、政策面で支えた根本氏(右)=23日、国会内で行われた県議とのオンライン意見交換

 「岸田さんの覚悟が違った。それが伝わったから支持が広がった」。岸田氏陣営の事務総長を務めた根本匠元厚生労働相(衆院福島2区)は、2度目の総裁選に懸けた岸田氏の変化を勝因に挙げる。だが、その裏には綿密な戦略があった。

 根本氏と岸田氏は、「加藤の乱」など政治的な判断が問われる局面において、常に行動をともにしてきた盟友だ。昨年の総裁選、岸田氏は、派閥が雪崩を打って支持にまわった菅義偉首相に敗れた。党内で「岸田は終わった」と陰口がたたかれる中、根本氏は違った。

 「菅氏の任期は(安倍晋三前首相の残任期間の)1年。次の戦いに備えなくてどうする」。派閥メンバーの奮起を促し、岸田氏が訴える経済政策の勉強会を派閥横断で実施するなど、他派閥との関係を強めていった。岸田氏が立候補表明する前日には、若手議員時代から親交がある安倍前首相を訪ね、出馬の「地ならし」をした。

 党員・党友の支持拡大では「一般党員より職域で党員になっている人の方が多い」と、支持団体回りを徹底。前回は岸田支持が伸び悩んだ東北地方へのてこ入れとして、関心が高い米価対策や復興政策を重点的にアピールする策を講じた。

 選挙戦が進むにつれ「決選投票で岸田氏有利では」との観測が永田町に流れだした。投票前日の28日、高市氏陣営の幹部から会談を呼び掛けられた。「どちらが3位になっても決選投票は協力しよう」。根本氏はこの時、岸田氏が総裁になると確信した。(桑田広久)