「県民割」にワクワク!観光地おもてなし準備 客足回復へ期待

 
「光が差してきたように感じる」と話す溝井さん

 新型コロナウイルス対策として本県など27都道府県に出ていた緊急事態宣言とまん延防止等重点措置が30日で解除となり、県内の観光地では客足回復への期待が高まっている。1日からは県の宿泊費補助事業「県民割プラス」の予約受け付けが始まることから、関係者は起爆剤としての効果を待ち望む。一部ではワクチン接種を終えた人に特典サービスを用意する独自の動きも出てきた。

 旅館「光が差すようだ」

 「(県民割プラスの)適用対象になるのか」「開始はいつか」。石川町の井筒屋では、県民割プラスの開始が発表されてから、宿泊の問い合わせが増えている。社長の溝井吉一さん(44)は「まだ先は見通せないが、真っ暗だった中に光が差してきたように感じる」と期待を隠さない。

 コロナ禍で客足が減る中、固定費がかさんでも「わざわざ来てくださった方を断ることはしたくない」と営業を続けてきた。接種が進み始めてからは、書類などで接種済みを確認できた人の料金を1000円引きにする宿泊プランも設定した。溝井さんは「接種するかどうかは個人の自由」との考えから迷いもあったが「少しでも来てもらえる材料になれば」と設定を決めた。

 溝井さんは「(県民割の適用が決まっている)まずこの1カ月を頑張りたい。しっかり準備しておもてなしをする」と話した上で「宿泊だけでなく、宴会などが開けるまでに戻ってくれれば」と願った。

 旅行業者からも県民割への期待の声が上がる。二本松市の高島観光にも県民割の問い合わせが入り始めた。社長の高島一吉さん(45)は「割引を期待して旅行を我慢していた人も多いはず」と歓迎する。

 同社は、地元企業の社員旅行などが売り上げの6割を占める。しかし昨年来、団体旅行の依頼がなくなった。昨年は国や県、市の割引補助でなんとか持ち直したが、補助がない今年は経営がさらに厳しくなり、借り入れでしのぐ状態だ。

 高島さんは「県民割はありがたいが、一時的な需要にとどまると思う。割引がなくても旅行に出掛けるような状況に早くなってほしい」と一日も早いコロナ収束を望む。

 「接種済み」300円券

 独自のクーポン券を配り、来店者を増やそうとする動きも出てきた。いわき市小名浜のいわき・ら・ら・ミュウは1日から、ワクチン接種を終えた人が使える300円分の買い物・食事券を配布する。31日まで毎日先着50人に配られ、12月末まで利用できる。

 予防接種済証を持参すると受け取ることができ、税込み千円以上の利用で活用できる。同館を運営する市観光物産センターの小玉浩幸さん(55)は「少しずつでもにぎわいが戻るように取り組みたい」と話した。