「フルーツ大福」人気 福島の果物広めたい 専門店・果寿庵開業

 
「福島の果物のおいしさを広めたい」と語る加藤さん

 福島市上町のフルーツ大福専門店「果寿庵(かじゅあん)」が人気を集めている。9月18日に本格オープンし、直後の連休中には最大で1日千個を販売。材料の果物は伊達市を中心に県内外の農家から仕入れており、店長の加藤公一郎さん(29)は「全国に店舗を増やし、福島のフルーツのおいしさを広めたい」と夢を膨らませる。

 評判の理由は、40回以上の試行錯誤の末にたどり着いたという「フルーツを引き立たせる絶妙なバランスの甘さ」。豆や砂糖、隠し味の配合にこだわり、分量を1グラム単位で微調整した。独自レシピで出来上がった白あんと県産もち米を使った求肥(ぎゅうひ)で果物を包み込む。

 果物はモモやナシ、キウイ、ミカンなどさまざま。実際に産地まで足を運んで農家と契約しており、ミカンは広島県の瀬戸内産を使用している。価格は480円~900円程度で、仕入れ状況によって変動する。

 店のオープンは紆余(うよ)曲折を経て実現した。加藤さんは元々、洋食料理人でレストランを構える目標があった。

 しかし、修業のため渡欧しようとしていたところ、新型コロナウイルスが発生。やむなく断念し、昨年6月から約4カ月間、愛知県西尾市にある飲食業の会社で働きながら経営を学んだ。

 その後、出身地の郡山市に戻ると、包丁とコック服を持ち、"武者修行"を敢行。「ストリートシェフ」を名乗り、飛び込み営業のような形でイタリア料理店やパン屋、焼き肉店、ラーメン店など計6店舗を回りながら、時給制の日雇い労働を続けた。人手不足に悩む店から正規採用や後継も打診されたこともあったという。

 今年6月ごろ、経営を教わった飲食業の会社の社長から1本の電話が入った。内容は、この会社がオンラインショップ限定で取り扱っていたフルーツ大福を実店舗で販売する新規事業の依頼。加藤さんは「面白そう」と首を縦に振り、未知の領域だった和菓子作りに挑戦する日々が始まった。

 商品開発には料理人として培った経験を生かし、隠し味など洋食の要素も取り入れた。加藤さんは「和菓子作りへの思い入れは、フルコースの料理を提供する時と変わらない」と笑う。

 店の住所は福島市上町2の18。営業時間は午前11時~午後7時(売り切れ次第終了)。問い合わせは果寿庵(050・8883・0504)へ。