デジタル教科書を活用 郡山の小中学校、紙と併用効果探る

 
教科書の同じ場面をタブレットのデジタル教科書で拡大する児童

 小中学校でタブレット端末の1人1台配備が4月に完了した郡山市は、文部科学省が2024年の本格導入を目指すデジタル教科書を実証実験として先行導入している。小学5年生以上の全小中学校でデジタル教科書を1教科以上使用しており、紙の教科書と併せた活用を探っている。

 このうち行徳、桑野、小山田の3小学校と明健中は2学期から、多数の児童生徒が多種目のデジタル教科書を同時に使ったときのサーバー負荷を検証する文科省の実証実験に参加。全学年で小学校最大13種目、中学校16種目のデジタル教科書を利用している。

 ある日の小山田小。6年生は社会の授業で、天下統一を目指す織田信長軍が武田勝頼軍と激突した「長篠の戦い」を学んでいた。児童は紙の教科書に載っている戦いの様子が描かれた屏風(びょうぶ)画と、デジタル教科書上の同じ屏風画を並べて確認。デジタル教科書では屏風画を拡大できるため、両軍の武器や服装の違いなど細部まで確認しながら当時の様子について話し合っていた。登那木誠也君は「紙では小さくて分からない場所も、アップして見ることができて勉強しやすい。使い方が分からないときは友達同士で話し合っている」とデジタル教科書の利点を感じている。

 1年生の算数の授業では、児童がデジタル教科書上で解答した練習問題を、共有アプリ「ロイロノート」に転送。早く解けた児童が解答できずにいる児童に教えに行くなど、デジタル教科書とアプリを相互に活用していた。このほか英語では発音が確認できたり、文章に下線を引いても取り消せたりするなどの利点があり、教職員も活用方法を探っている。

 同校の酒井浩一教諭(46)は「それぞれの児童が適した方法で学ぶのが一番」と強調。教科書を使う際は紙かデジタルかを任せているが、児童の8割ほどがデジタルを選ぶという。

 市教委の担当者は「情報通信技術(ICT)が学びの中心になることは間違いない。先駆けて準備をしていきたい」と話している。