福島県、中小企業の上場支援強化 企業密着、個別相談事業新設

 

 県は本年度から、株式上場を目指す県内中小企業への支援を強化する。企業に密着する「個別相談事業」を新たに設け、課題を洗い出し、確実に上場につなげるための取り組みをサポートする。株式上場は、企業の魅力の一つとされている。県は上場企業を増やす中で、若者の地元定着や他県からの転入増につながっていくことを期待している。

 個別相談事業では、上場支援の専門家が各企業を訪問する。上場のタイミングや上場する証券取引所など、解決しなければならない課題は企業ごとに異なるため、聞き取りを通じて最適な解決策を提示する。県によると、上場に向けた個別相談の実施は全国的に珍しい取り組みという。

 県は2016(平成28)年度から、企業を対象にした啓発セミナーを開き、500万円を上限とした補助金制度などを設けてきた。しかし、上場につながった実績がないため、踏み込んだ対策が必要と判断した。

 今回の取り組みでは、啓発セミナーに20社程度の参加を促し、このうち3~5社程度の個別相談事業への移行を目指す。株式上場は企業にとって、円滑な資金調達や社会的信用の向上などの利点がある。県は、潜在力のある優秀な企業が評価を高め、U、I、Jターンの受け皿になるような好循環を生み出したい考えだ。

 県によると、県内企業のうち、上場企業は11社(東証1部9社、ジャスダック2社)。県は「上場を支援することで地方創生や産業振興を推進したい」(商工総務課)としている。