ヘチマ化粧水づくり 故郷に潤い、郡山の横尾さん「自然感じて」

 
本宮市の畑でヘチマを栽培し、化粧品を作っている横尾さん

 郡山市の横尾恵美さん(38)は、本宮市の畑で栽培したヘチマを加工し、化粧水「アルモ化粧品」を作っている。アルモはイタリア語で「天の恵み」の意味。横尾さんは「自然の恵みを生かした化粧品で、福島の豊かな自然を感じてもらいたい」と話す。

 横尾さんは二本松市出身で、東日本大震災前は東京で美容関係の仕事をしていた。結婚し、妊娠した2011(平成23)年の震災直後に、福島に戻った。東京電力福島第1原発事故の影響を受けながら、故郷で子育てをする中で考えたのが、子どもたちの未来だった。

 「自分の子どもが将来、福島を離れた時に、福島に対して原発事故などの悪いイメージばかりが残ってしまうのではないかと不安があった。いい方向に変えたいと思った」。横尾さんは福島の土地を生かした化粧品作りを17年に思い立ち、本宮市の亡くなった祖父の畑を活用することにした。

 化粧水の原料となるのは、ヘチマの茎を切り、採取した液体「ヘチマ水」だ。横尾さんによると、ヘチマ水は肌になじみやすく、日本では古くから天然の化粧水として使われてきた。

 ヘチマ水を使った化粧水のアイデアは幼少期の思い出から生まれた。「幼い時、肌が乾燥すると祖母がヘチマ水を塗ってくれた」。ヘチマは栽培に手間がかからないという利点もあった。

 試作を重ね、県内の主婦約200人から意見を募りながら、18年にヘチマ水を加工したアルモ化粧品を製品化した。横尾さんによると、同製品は肌に浸透しやすいため保湿効果が高く、刺激が少ないため子どもも一緒に使用できることが特徴だ。一日の終わりに子どもとのスキンシップを兼ねて使う利用者もいるという。

 横尾さんは「これからも化粧品を通して、子どもから大人まで福島の自然に触れるきっかけを届けていきたい。それが生まれ育った故郷への恩返しになれば」と思いを語る。

 アルモ化粧品はインターネットで販売しているほか、岩瀬書店福島駅西口店(福島市)や同富久山店(郡山市)、アットホーム日和田店(同)で取り扱っている。問い合わせは横尾さん(電話0243・44・1313)へ。