11月にも「準備宿泊」開始 葛尾・野行の復興拠点、住民帰還へ

 

 葛尾村は、来年春に避難指示解除を目指す野行(のゆき)地区の特定復興再生拠点区域(復興拠点)について、11月にも準備宿泊を始める方向で調整に入った。5日開かれた村除染検証委員会の初会合で村が示した。篠木弘村長は「スケジュールありきでなく、住民の理解を得ながら対応したい」とし、近く住民説明会を開いた上で開始時期を正式に判断する。

 準備宿泊は住民帰還を円滑に行うため、避難指示が出された区域で禁止されている宿泊を特例的に認める制度。空間線量がおおむね毎時3.8マイクロシーベルトを下回っていることなどが要件となる。村は復興拠点で住民が安全に生活できるかどうかを調べる第三者委員会として、放射線、医療、農業を専門とする有識者と野行地区の住民の計5人で構成する除染検証委員会を設置した。

 村民会館で開かれた検証委には委員のほか、村や環境省などから約20人が出席した。同省担当者が復興拠点内の除染や家屋解体が完了し、空間線量も要件を満たしていることなどを報告。検証委は準備宿泊実施を了承した上で、帰還する村民が放射線や生活に対する不安を多く抱えているとして、村民の要望に細かく対応できる体制づくりを村など関係機関に求めた。

 野行地区は村北東部にあり、約1600ヘクタールが帰還困難区域。うち約95ヘクタールが復興拠点として整備される。村は既存の公民館を住民の交流拠点として活用するほか、公民館に隣接する形で仮設住宅を活用した宿泊施設を今月中に建設する。

 村によると、10月1日現在の野行地区の住民登録者数は34世帯94人で、復興拠点内は30世帯84人。復興拠点から外れている小出谷(こでや)に4世帯10人がいるため、村は小出谷に隣接し同じく復興拠点外の浪江町室原の小伝屋(こでや)地区と合わせて一体的に除染などを進めるよう、浪江町とともに国に求めていく考え。