入浴時に自動で心電図測定 会津大、心臓の異変感知や溺死事故防止

 

 会津大は、入浴時に自動で心電図検査をし、健康状態の変化をいち早く見つける装置を開発した。心筋梗塞や不整脈といった心臓の病気につながる異変をリアルタイムで感知することで、全国で相次ぐ入浴中の突然死を防ぐ。データを集め解析する機能も備えており、高血圧や糖尿病といった慢性疾患の症状の管理に役立つとしている。

 装置「快風(かいふう)」を開発したのは生体医工学が専門の陳文西教授(58)。湯船に漬かる時に心電図が取れれば医療機関などで検査を受ける必要がなく、日々の変化も把握しやすくなると考え、2015(平成27)年ごろに開発に着手。既に特許を取得済みで、現在は製品化を目指して住宅設備機器大手の企業などと共同研究を進めている。

 浴槽に取り付けた電極などの計測装置で調べる仕組みで、製品化する際には入浴の邪魔にならないよう、浴槽に装置を埋め込む形を想定している。データは端末で即時解析され、心臓の病気につながる異変を感知した場合、警告音を流して同居する家族などに知らせる。溺死防止のため自動排水機能も付けるという。

 また、集めたデータをコンピューターで月別、季節別に解析することで、慢性疾患の症状悪化の兆しが発見しやすくなり、薬の効き目を確認したりするのに役立つ。陳教授は「入浴中の事故により全国で年間4000~5000人が亡くなっており、高齢化が進むことで増加も懸念される。入浴中の事故死だけでなく、慢性疾患の悪化を防ぐためにも製品化を実現したい」と話した。

 陳教授によると、心拍数などを調べることでリラックス効果なども数値化可能という。家族など複数人が同じ浴槽を使っても個人を識別できるよう実験を進めており、「入浴時間、水温、入浴剤の種類による変化を分析することで、個人に最適な入浴環境を提案できる」としている。