双葉の復興拠点避難指示解除、2022年6月以降 復旧工事遅れ影響

 

 双葉町の伊沢史朗町長は7日、東京電力福島第1原発事故に伴う帰還困難区域のうち、人が住めるように整備する特定復興再生拠点区域(復興拠点)全域の避難指示解除について、早くても来年6月にずれ込む見通しを示した。町はこれまで来年春ごろの避難指示解除を目標としていた。

 いわき市で開かれた町議会全員協議会で示した。町によると、避難指示を解除するための要件の一つであるインフラ復旧に遅れが生じたことが主な要因。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い復旧工事の人材が不足したほか、常設の下水処理施設の復旧に当たっての入札が不調になるなどしたという。ただ、目標が後ろ倒しされたものの、早くて6月という、より具体的な時期が示された形だ。

 一方、避難指示の解除を判断するための準備宿泊については、年明けに仮設の下水処理施設が完成する見通しであることや、準備宿泊に伴う放射線被ばくのリスクも十分に低いとして、早ければ来年1月に始めるとする目標を維持した。

 伊沢町長は取材に「早急に避難指示を解除してトラブルが起きてはいけない。町民には10年待ってもらって、さらに少し待ってもらうことになるが、より安全に帰還できるよう、できる限りの対策を講じていきたい」と述べた。

 復興拠点について政府は〈1〉空間放射線量が年間20ミリシーベルト以下に低減〈2〉インフラ整備や除染の進展〈3〉地元との十分な協議―を避難指示解除の要件と定めている。要件がおおむね満たされた地域で帰還に向けた準備宿泊を行い、地元自治体と協議した上で解除する。

 双葉町の復興拠点の面積は約555ヘクタール。昨年3月に復興拠点の一部と避難指示解除準備区域の避難指示が先行解除されたが、生活インフラが整っていないため、全町避難を継続している。町は復興拠点全域の避難指示解除から5年後の人口目標を約2000人に設定している。