本県3チーム「福島の技術力」世界に 南相馬・ロボサミット開幕

 
通路と階段で作られた点検用デッキで競技に臨む「MISORA」=8日午後、南相馬市

 国内外の研究チームがロボット技術を競う「ワールドロボットサミット(WRS)2020福島大会」は8日、南相馬市原町区の福島ロボットテストフィールドで開幕した。国内外の29チームのうち本県からは南相馬市と会津大の計3チームが出場。「福島の技術力を世界に発信したい」。出場者は熱い思いを胸に、英知を結集したロボットで世界に挑んでいる。10日まで。

 29チームが出場しているのは「インフラ・災害対応」部門。階段の昇降やバルブの開閉など、実際の災害現場で想定されるコースが用意されており、8日は予選が行われた。南相馬市からは市内の製造業などでつくる「南相馬ロボット産業協議会」がエントリー。普段はライバル同士の企業が手を取り合い、ものづくり企業の知恵や工夫が詰まったロボット「MISORA(ミソラ)」を開発した。

 ミソラの特徴はシンプルな操作性で、専門知識がなくてもボタン一つで昇降や移動が可能。インターネットを活用しなくても動かせる。操作を担当した小高産業技術高の荒将斗さん(2年)と境孝平さん(3年)は「緊張したが、貴重な経験だった」と初日を振り返った。

 会津大のロボットは「スパイダー2020」。強みはロボットに使われるソフトウエア開発だ。ゲーム機のコントローラーで操作。ほかのロボットよりもアームの関節を増やすことで、より細かい動きを可能とした。同大からは別の競技にも出場するなど2チームが参加。小川浩明さん(会津大大学院修士1年)は「今まで学んできた知識を発揮できるのはうれしい」と話した。

 各チーム共通の思いは「技術力を見せたい」というプライドだ。産業協議会で操作ソフトを担当した山崎潤一さんは「震災時に強まった地元企業の絆と知見を寄せ合った。南相馬の技術力を見せつける」と意気込む。会津大の中村啓太准教授は「会津大の強みである情報通信技術(ICT)をアピールする絶好の機会。世界の舞台で戦うことで学生の自信にもつながる」と出場の意義を強調した。9日は予選と準決勝が行われ、10日の決勝に進むチームを決める。

 ワールドロボットサミット 世界中から結集したチームがロボットの技術やアイデアを競う大会。2018(平成30)年に東京でプレ大会が開催されているが、本大会は今回が初めて。災害対応の実証拠点として整備された福島ロボットテストフィールドを有する本県での開催となった。新型コロナウイルス感染拡大を受け、昨年から延期となっていた。経済産業省と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の主催。来年以降の開催地は未定。