就農者に山仕事の技を 二本松・東和に「里山再生」合同会社誕生

 
三保市長(右から3人目)に設立報告する大野代表(同2人目)ら

 二本松市東和地域の住民有志7人は、地域の荒廃した里山を再生させ、森林のさまざまな機能を生かして地域活性化を図ろうと「里山再生合同会社」を設立した。代表社員に就いた大野達弘さんは「山仕事の仕組みを整えて、冬場に安定して仕事ができる環境をつくり、新規就農者を増やしたい」と語る。

 東和地域は、阿武隈山系の中山間地にあり、森林が3221ヘクタールに及び地域全体の約45%を占める。かつて炭焼きなど里山の暮らしが根付いていたが、人口減少や生活形態の変化で現在は技術を持つ人は少ない。原木シイタケの栽培も原発事故後に中断を余儀なくされた。里山は荒廃が進み、木々が道路にはみ出すなど、住民生活に支障が出ている。

 一方で、市内他地域に比べて移住者が多く、新規就農も進んでいる。ただ農閑期の収入源となる仕事づくりが課題になっている。

 こうした地域の課題を解消したいと、原木シイタケ生産者の大野さん、森林所有者、県森林組合連合会職員、新規就農した移住者らが結集。8月26日付で里山再生合同会社を設立した。

 合同会社は里山の維持管理や、農地周辺の樹木伐採などによる森林資源の活用、シイタケ栽培場の再生などを事業とする。これらを行うために、チェーンソーの技術研修などに参加、専門知識の習得を進めている。将来は、シイタケ原木の生産や間伐材の活用など営利事業を展開し、雇用の創出も目指す。大野さんは「自分たちの山は自分で守るというのが基本。悲壮感ばかりではなく、チェーンソーアートなど娯楽の部分も含めて多くの人が携われる会社にしたい」と話した。

市長に設立を報告 大野さんらは9月27日、市役所を訪れ、三保恵一市長に合同会社の設立を報告した。三保市長は「里山再生を主にする合同会社に大きく期待している。ともに進めていきたい」と述べた。