松川事件資料、ユネスコ「世界の記憶」登録再申請へ 福島大

 
「世界の記憶」に申請する資料を収蔵する福島大松川資料室=2019年

 福島大は、戦後最大の冤罪(えんざい)事件として知られる「松川事件」の関係資料について、ユネスコ「世界の記憶」登録を求め、2度目の申請を行う。登録申請する資料は、元被告らが獄中から出した手紙や、元被告の逆転無罪を決定付ける証拠の一つとなった「諏訪メモ」など。15日に記者会見を開き、申請する資料の詳細などについて説明する。

 福島大は2017(平成29)年、世界の記憶のアジア太平洋地域委員会が決める「地域登録」を目指した。しかし、この時は、選考基準を満たさないとして、日本国内委員会による推薦が見送られた。今回は、ユネスコ執行委員会が決める「国際登録」を目指す。

 国内申請の締め切りは15日で、1カ国からの申請は2件以内と定められている。政府は、審査委員会による審査を経て、11月中旬の関係省庁連絡会議で申請する候補を選定する。

 「世界の記憶」は、世界的に価値のある記録物を選定して重要性について認識を高め、保存を促すことを目的としたユネスコの事業。制度改革のため17年を最後に新規審査を凍結していたが、今年7月から国際登録の申請受け付けを再開した。

 松川事件は、1949年に発生した普通列車の脱線、転覆事故で乗務員3人が死亡した。当時の国鉄労組などの組合員20人が逮捕、起訴されたが、最終的に全員の無罪が確定した。福島大の松川資料室は、事件関係の資料を約10万点収蔵している。