認知症高齢者に働く喜びを... 有償ボランティアでいわきのカフェ

 
カフェを経営する長谷川さん(奥)とボランティアの清野さん

 いわき市内郷御厩町に1日、認知症の高齢者が有償ボランティアとして働く「にぎらないおにぎりカフェふくろう」がオープンした。同店を営む長谷川正江さん(55)は「認知症の人が働く喜びを実感できる場所をつくりたい」と意気込みを語る。

 長谷川さんは同市でカフェのほかデイサービス施設を経営している。施設利用者のうち、希望者が有償ボランティアとして配膳や調理、洗い物などを担う。ボランティアの清野幸子さん(85)は「家に1人でいるよりも楽しい」とやりがいを口にする。

 カフェ開設のきっかけは、認知症を患っていた長谷川さんの父、故馬上正次さん(享年72歳)の存在だった。正次さんは公務員を退職後、通院する人を送迎するボランティアをしていたが、ボランティアをやめてから自宅にこもりがちになり認知症を発症した。

 ヘルパーとして働いていた長谷川さんは「仕事が忙しく、父に適切な治療を受けさせることができず、症状が進行してしまった」と悔やむ。この経験から長谷川さんは「高齢者が社会参加できる環境をつくりたい」と考えた。その思いがデイサービス施設の経営やカフェの開店につながった。

 カフェで販売する「にぎらないおにぎり」は施設で好評だったことからメニューに決めた。長谷川さんはカフェの経営を通じて「利用者自身が能動的に仕事をできるようになれば良いと思う」と期待した。
 営業時間は午前11時~午後2時30分。定休日は月、土、日曜日。テークアウトも行っている。問い合わせは(電話0246・88・7976)へ。

※写真は、カフェで販売している「にぎらないおにぎり」

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