熱い「山城愛」 桑折から発信へ、全国サミット開催に思い町職員

 
「迫力のある山城の魅力を知ってほしい」と話す井沼さん

 「第28回全国山城サミット桑折大会」が30、31の両日、桑折西山城跡がある桑折町でオンライン開催される。本県初開催のサミット成功に向け準備を進める町生涯学習課歴史文化係長の井沼千秋さん(52)は「コロナでオンライン開催となってしまったが、『収束後に訪れてみたい』と思ってもらえるように桑折西山城跡の良さを伝えたい」と意気込みを語った。

 当初は山城がある全国の自治体関係者が集まる予定だったが、新型コロナ感染拡大を受け、動画投稿サイト「ユーチューブ」での生配信に切り替えた。山城の魅力や保全をテーマに話し合う。

 山城の魅力を井沼さんは「派手な造りではないが、迫力がある」と語る。"お城"のイメージは天守や石垣があり、お堀には水が張ってあるというのが定番で、県内では鶴ケ城(会津若松市)などが当てはまる。一方、山城は山の自然の地形をうまく生かしながら、要所に空堀や土塁を巡らせて設計された「天然の砦(とりで)」だと説明する。

 桑折西山城跡は戦国武将伊達政宗の曽祖父で、伊達氏14代当主の稙宗(たねむね)が1532年ごろに本城として築いたが、父子間の内紛の末に取り壊された。井沼さんは2008(平成20)年から14年まで行われた町の発掘調査に携わった。

 城は本丸と二ノ丸、中館・西館を中心とする部分に分けられており、本丸には稙宗の政治の場になったとみられる建物跡が残されている。

 1548年に廃城となったが、戦国時代末期には中館・西館で大規模改修されていることが発掘調査で判明。当時支配していた政宗や蒲生氏、上杉氏の名が挙がるが、誰の手でされたかは不明のままという。

 発掘調査後には、本丸の中心にあった建物の柱の位置などの間取りが現地で復元された。町は2019年に復元祭、昨年はプレ大会を開き、サミット開催の機運を高めてきた。

 井沼さんは「県内には魅力ある山城がたくさんある。サミットを機に山城に興味を持ってもらえるよう発信したい」と熱い思いを口にした。
 

 ◇全国山城サミット 国指定史跡の竹田城跡がある兵庫県和田山町(現朝来市)で1994(平成6)年にスタートした。2020年11月現在、104団体、162の山城が加盟し、県内の加盟は桑折西山城跡のみとなっている。

 ◇山城サミットスケジュール
【30日】
 13時30分=配信開始
 13時40分=箏男kotomen 大川義秋生演奏
 14時=奥州・仙台おもてなし集団 伊達武将隊演武
 14時20分=やまがた 愛の武将隊演武
 14時40分=忍城おもてなし甲胃隊演舞
 15時=3武将隊合同ステージ


【31日】
 9時30分=配信開始
 10時=開会式
 10時40分=奥州・仙台おもてなし集団 伊達武将隊演武
 10時50分=片倉鉄砲隊
 11時15分=基調講演「城郭考古学者 千田嘉博先生」
 12時15分=奥州・仙台おもてなし集団 伊達武将隊演武
 12時40分=桑折西山城紹介
 13時=歴史トーク「落語家春風亭昇太師匠、千田先生」
 14時30分=サミット宣言