双葉の復興拠点外地域、行政区単位で要望を集約 政府に提出へ

 
準備宿泊に向けて開かれた双葉町の住民説明会

 双葉町の伊沢史朗町長は26日、東京電力福島第1原発事故に伴う帰還困難区域で「復興拠点外」とされた地域の扱いを巡り、年内にも行政区単位で意見を集約し、政府に実現を求める考えを示した。拠点区域外の地域に対する政府方針では、除染の範囲など不透明な部分が残されている。住民意思の明確な提示により、避難指示解除から地域再生に至る具体的な制度設計が進むことが期待される。

 方針は、いわき市で同日開かれた町政懇談会の終了後、伊沢町長が報道陣に明かした。伊沢町長は「行政区長が地域の考えを一番把握している。区長の皆さまには骨を折っていただくことになるが、町の考えをしっかりと国に伝えてきたい」と語った。全ての回答がそろった後に町の総意として示すか、行政区ごとに政府に要望するかは今後、調整していくという。

 町政懇談会は2年ぶりの開催で、いわき市を振り出しに11月27日まで県内外で開かれる。この日の会には住民ら約40人が参加した。自宅が復興拠点外にある住民からは「この10年、自宅をただ放置するしかなく、先祖に本当に申し訳ない。何とか1年でも早く、バリケードを撤去してもらいたい」という声が上がった。

 帰還困難区域は、除染などに先行的に取り組む特定復興再生拠点区域(復興拠点)と、復興拠点外に分かれている。このうち復興拠点外を巡っては、政府は帰還を希望する全住民が2020年代中に帰還できるよう除染を進め、避難指示を解除するとしている。

 ただ、帰還を望まない住民の土地や建物をどう取り扱うかは方針で示されていない。住民からは、帰還希望者が少ない場合の除染の範囲などについて不安視する意見が上がっていた。

「拠点内」準備宿泊へ整備状況など説明

 町政懇談会は、来年1月にも町内の「復興拠点内」で始まる準備宿泊の説明会も兼ねて開かれた。町の担当者が、拠点区域内のインフラの整備状況などについて説明した。

 準備宿泊は、復興拠点区域の避難指示解除に向けた手続きの一つ。町は宿泊先として町内のビジネスホテルを確保しており、拠点内外を問わない全町民を対象にしている。町民は宿泊しながら、帰還の準備などを進めることができる。

 ただ、会場からは「どのような人が対象なのか」などの質問も上がり、制度の周知徹底が改めて課題となった。町は各地の町政懇談会で引き続き説明を尽くしていく。町によれば、現段階で準備宿泊を希望する人は約30世帯という。