裁判官が第1原発を初視察 東京地裁、東電株主代表訴訟

 

 東京電力福島第1原発事故を巡る株主代表訴訟で、東京地裁の朝倉佳秀裁判長らは29日、第1原発の敷地内を視察した。原告側代理人弁護士によると、原発事故の責任が争われた裁判で裁判官が敷地内に入るのは初めて。

 視察は現地での進行協議の位置付けで非公開。朝倉裁判長のほか、丹下将克裁判官、代理人弁護士ら約10人が立ち会った。

 終了後に記者団の取材に応じた原告側代理人弁護士によると、朝倉裁判長ら一行は約3時間半、東電社員の説明を受けながら、1~6号機を視察した。朝倉裁判長は持参した原発内部の図面を手に、水が敷地内に浸入した部分などについて質問し、「実際に見ると迫力がある」と事故前後の津波対策に関心を示したという。

 原告側代理人の海渡雄一弁護士は「事故前に現実的な津波対策ができたという印象を持ってもらえたのではないか。判決に期待できる協議ができた」と話した。

 訴訟は原発事故を巡り、東電の株主が勝俣恒久元会長のほか武藤栄元副社長、武黒一郎元副社長ら旧経営陣5人に約22兆円の損害賠償を求めている。11月30日に結審する見通し。