廃炉テーマ意見交わす 浪江でフォーラム開幕、生徒に専門家答え

 
高校生らが抱く廃炉に関する疑問に答えた意見交換

 東京電力福島第1原発の廃炉について学ぶ「福島第1廃炉国際フォーラム」は31日、浪江町で開幕した。初日は「地元の皆様と考える1F廃炉」をテーマに、高校生や地元住民が抱く廃炉の疑問に専門家が答える意見交換会などが開かれ、溶け落ちた核燃料(デブリ)の処分方法や適切な情報発信の在り方などについて議論を交わした。

 原子力損害賠償・廃炉等支援機構(NDF)の主催。今回は5回目で、約200人が来場した。意見交換には山名元(はじむ)NDF理事長、国や東電の廃炉関係者、県内の高校生と双葉郡の団体代表が登壇した。東日本大震災・原子力災害伝承館長の高村昇長崎大教授が司会を務め、海外の有識者はオンラインで参加した。

 意見交換では、高校生が廃炉に関する素朴な疑問を専門家にぶつけた。高校生から「廃炉は何のためにやるのか」と問われた山名理事長は「デブリを社会環境から隔離し、地域をきれいにするのが私たちの責務だ」と答え、廃炉の意義を強調した。

 また、デブリ取り出し後の保管についての質問には、経済産業省の湯本啓市原子力事故災害対処審議官が「少量を取り出して性状を分析した上で、社会的影響を含めた処分法の研究を進めたい」と述べた。

 最終日の1日は、いわき市に会場を移して開かれる。「技術専門家と考える1F廃炉」をテーマに、廃炉に関する国内外の取り組み紹介のほか、専門家による説明や意見交換が行われる。

 被災地ツアー重要性訴え 高校生発表

 地元住民が廃炉について議論した三つのプレイベントの成果発表も行われた。県内11の中学校、高校で開かれた「共創ワークショップ」については、参加者を代表して日大東北高2年の田上育樹さん(17)と山田統覇さん(17)が登壇し、学生の考える廃炉の課題などを語った。

 田上さんは「廃炉に関心はあるが(積極的に)知りにいくほどではない、という同世代が多い」と指摘した。双葉郡の視察を通じて関心が高まった自分の経験を踏まえながら、学校単位での被災地ツアー実施の重要性を訴えた。

                       ※壇上で成果発表する田上さん

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