共晶溶融現象の仕組み解明 JAEA、デブリ性質予測へ期待

 

 日本原子力研究開発機構(JAEA)は、材料が本来溶ける温度(融点)よりも低い温度で液化現象が始まる「共晶(きょうしょう)溶融(ようゆう)現象」の仕組みを実験で突き止めた。JAEAが2日、発表した。東京電力福島第1原発事故で発生し、未解明な部分が多い溶融核燃料(デブリ)の性質予測など成分解析への応用が期待される、としている。

 この現象は、はんだ付けや溶接に応用されるが、仕組みは未解明な点が多いという。JAEA廃炉環境国際共同研究センターでは、現象が起こる過程を高温の電気炉を用いて再現。福島第1原発で溶けた制御棒を形成するステンレス鋼と炭化ホウ素を高温で溶かし、燃料被覆管の主成分でもある固体金属ジルコニウムを投入して反応を検証した。その結果、ホウ素や炭素が現象の進行に大きな影響を与えることが判明。さらに、実験で得られた試料を正確に分析するため、複数の分析手法を組み合わせる必要があることも分かった。

 デブリは、金属材料、コンクリートが溶けて固まってでき、〈1〉金属系〈2〉酸化物系〈3〉コンクリート系―の三つに分類される。金属系はステンレス鋼や炭化ホウ素、金属ジルコニウムが主成分のため、研究結果は金属系デブリの特性解明につながるという。

 墨田岳大研究員は「事故から10年以上経過しても謎が多いが、デブリの性質の予測や事故当時のシミュレーションの高度化などを期待できる」と意義を強調した。