絵本で伝える「大切な日常」 作家対談、双葉・伝承館の企画展

 
絵本の魅力や福島への思いなどを語った(左から)松本さん、はかたさん、本多さん

 福島民友新聞社が販売する絵本「ぼくのうまれたところ、ふくしま」を手掛けた絵本作家松本春野さんと、絵本「失われたバラ園」の著者で絵本作家はかたたんさんの対談が3日、双葉町の東日本大震災・原子力災害伝承館で行われ、2人が絵本の魅力や福島への思いなどを語り合った。

 震災に関する絵本に焦点を当てた、開催中の同館の企画展「絵本から学ぶ 子どもに伝える大震災」の一環で行われた。福島大うつくしまふくしま未来支援センターの本多環特任教授が進行役を務めた。

 松本さんは自身の子育て経験などを交えながら、絵本をコミュニケーションの手段の一つに挙げ「絵本は言葉や年齢の垣根を越えた文化財。言葉が伝わらなくても、絵だけを見て、さまざまな解釈ができ、本を読んだ人の数だけストーリーが生まれてくる」と魅力を語った。

 ドキュメンタリーや子ども番組の演出なども手掛けているはかたさんは「絵本は映像とは違い、親が子どもを膝の上に乗せて読むと、親の体温や声の響きが子どもに伝わるのがいいところ。そこから親子の会話も発生する」と解説した。

 それぞれが手掛けた絵本のあらすじなどを紹介し、福島への思いも語った。松本さんは、震災後に子どもたちが外で遊べなかった現状などを知り「何かできることはないか」と福島を題材にした絵本を描いたきっかけを振り返った。はかたさんも避難所訪問などを通し「当たり前の生活がいかに大切かを知った」と語った。

 最後に松本さんは「『ぼくのうまれたところ、ふくしま』はたくさんの人と一緒に読んで、たくさんの解釈があっていい作品。震災については分からないことが多いが、大人も子どもと一緒に気負わずに読んでほしい」と呼び掛けた。