「燃料高騰」に悲痛な声 消費者の節約志向...経済冷え込み不安

 
レギュラー価格「171円」と表示された案内板=4日午後3時25分ごろ、福島市内のガソリンスタンド

 ガソリン価格の高騰が、県民生活を直撃している。新型コロナウイルス感染拡大の影響から脱しようとする中での新たな課題に、さまざまな業種から「この時期の値上がりは本当に厳しい」と悲痛な声が上がる。今後の価格動向が予断を許さないだけに、「節約志向」が地域経済の冷え込みにつながらないか不安もよぎる。

 「レギュラーガソリン 171円」。福島市の市街地にあるガソリンスタンドの電光掲示板には、思わずため息が出るような価格が表示されていた。「最近は給油待ちの列があったのですが、このごろはなくなりましたね」。店長の男性は、困り顔でつぶやいた。

 県内で約20カ所のガソリンスタンドを経営する郡山市の燃料会社の担当者は「満タン給油の割合が減って、金額や数量を指定した給油が増えている。消費の低迷は避けられないのでは」と指摘する。案の定、消費者側の反応は敏感だ。福島市の20代会社員女性は「このまま高値が続けば、節約のため遠出は控えるかもしれない」と答えた。

 運輸交通関係にも影響が出ている。福島市のタクシー会社の担当者は「燃料高騰は経営を圧迫している。先が見えないのでどうしようもない」と嘆く。県トラック協会の穂積央男常務理事によると、自動車関連の部品を運ぶ会社では、新型コロナで仕事が減っている状況に燃料高騰が追い打ちを掛けているという。「ここまで上がるとは思わなかった。アイドリングストップなどで消費を抑えるしかない」と語った。

 ガソリンとともに灯油も値上がりしている。「暖房機の使用時期を少しでも遅らせないと、経費がかかって仕方がない」。伊達市でイチゴの生産販売を手掛ける大橋松太郎さんは、ハウス栽培農家の声を代弁する。

 ハウス内の温度を保つため、8度になると暖房機が自動的に稼働する仕組みになっている。幸い温暖な気候が続いているので、暖房機は12月から使用するつもりだ。それでも「販売単価を上げなくてはならないかも」と話した。

 訪れた人に温かいもてなしを提供する旅館業。冬季は暖房費など負担が大きい。会津若松市の東山温泉「庄助の宿瀧の湯」の斎藤純一会長は「光熱費が増えても、宿泊料を上げるわけにはいかない。燃料の高騰分は、自分たちが泣くしかない」と、胸の内を明かす。

 「旅館はクリーニング店など取引している業種が多い。旅館の体力がそがれれば、地域に波及することになる」と、影響の広がりを懸念する。「そうならないように、政府にはしっかりとしたガソリン高騰対策をしてほしい」と訴える。