核のごみ反対の声にどう向き合う? 福島県高校生ら寿都町長に質問

 
住民の理解を得るための課題などについて質問する高校生

 反対の声にどう向き合い、理解を得るのか―。原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定で、第1段階の文献調査が進む北海道寿都(すっつ)町。調査に伴う最大20億円の交付金を活用した地域振興が期待される一方、反発も根強く、人口約2800人の北国の静かな港町は賛否に揺れる。本県復興にも深く関わる国の原子力政策で重要課題となる核のごみ問題の最前線に迫ろうと、本県の高校生らが6、7の両日、同町を訪れた。10月の町長選で6選した調査推進派の片岡春雄町長と面会し、合意形成の取り組みや直面する課題などについて質問した。

 ―どんな思いで文献調査の応募を決めたのか。
 「北海道を含め全国で半世紀以上も原発を利用してきたのに、使用済み核燃料の処分問題から目を背けることはできない。先送りにすれば若い世代が困る。『お金欲しさ』との指摘もあるが、確かに若者が流出する中、交付金を活用して働く場の創出に投資したい考えはある。ただ、それ以上に核のごみ問題に一石を投じたいと批判も覚悟し応募した」

 ―10月の町長選では調査反対派の新人を破ったが、得票差は235票だった。結果をどう受け止めるか。
 「(投票した有権者の)45%が私を支持しなかった。非常に重い結果と受け止めている。票を投じてくれた55%の人にも最終処分に対する心配はある。地元では最終処分に関する知識が不足しており、調査推進派と反対派の双方の専門家から説明を受ける場も必要だ」

 ―反対する住民にどう理解を求めていくのか。
 「これまで住民との対話の場を3回設けたが、ただ単に『反対』と訴えて退席する人もいた。対話にならずルール違反だと思ったが、どんな心配があるのか反対の理由を挙げてもらい、そこに対する専門家の意見を踏まえて議論を重ねていく」

 ―東京電力福島第1原発の放射性トリチウムを含む処理水を巡り、政府は漁業関係者の理解が得られないまま海洋放出方針を決めたとの批判もある。決定の過程をどう見るか。
 「日本の責任ある立場の人には痛みが伴う決断を先送りにし、行き詰まりを感じてから初めて行動するという悪い習慣がある。処理水もなぜ早急に処分する必要があるのかについて、もっと早くから漁師の理解を深める努力をするべきだった。国は遅ればせながら説明を尽くしていくしかない」

 ―来年にも文献調査は終わる。第2段階の概要調査に向けた展望は。
 「スウェーデンやフィンランドの(核のごみの最終処分場所が決まった)事例も伝えたい。若者が残れるまちづくりと国の課題に向き合うという両輪で丁寧に対話を重ねていくが、概要調査に進む前には住民投票を行い、意見を尊重する」

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 核のごみの最終処分 原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)を地下300メートルより深い岩盤に埋めて隔離する施設。処分場選定に向けた調査は3段階に分け、約20年かけて実施。第1段階の文献調査は資料を使って活断層の分布などを調べる。第2段階の概要調査はボーリングで地質や岩盤を調査し、地下施設を設置する第3段階の精密調査へ進む。寿都町のほか、同町から約40キロ北の神恵内(かもえない)村も文献調査を受け入れ、昨年11月に調査が始まった。