福島県内、急増する「還付金詐欺」 1~10月の被害件数2倍に

 

 還付金名目で現金をだまし取る「還付金詐欺」被害が県内で相次いでいる。県警によると、1~10月の被害件数や被害額は前年比で約2倍と急増し、被害者の8割超が65歳以上70歳未満の女性。予兆電話も60代に集中しており、犯人側が中学や高校の卒業名簿などを入手し、狙いを定めて電話をかけている可能性がある。コロナ禍を反映した手口もみられ、県警は被害防止へ呼び掛けを強化する。

 県警生活安全企画課によると、被害が60代に集中する背景には、金融機関で70歳以上の振込額が一部制限されるなど、なりすまし詐欺対策を講じていることもあるとみられる。また、ある地域では今年、同じ高校を卒業した60代に集中して予兆電話がかかってくる事案も発生した。8日にも福島市の2人の60代女性方に介護保険料の還付金名目の不審電話があった。

 還付金詐欺は、電話で市役所や税務署、年金事務所の職員などを名乗る場合が多い。手続き期限を「きょうまで」「昨日までだが、きょうまでなら特別に大丈夫」など言葉巧みにかたって相手を焦らせ、現金自動預払機(ATM)に誘導して現金を振り込ませる。

 相手に考える時間を与えないのが特徴で、県警が把握している事案のうち、最初の電話から振り込み完了まで最短は18分。また、声掛けや人の目を気にして「コロナ禍だから、人がいないATMに」と誘導するケースもあった。

 「なりすまし詐欺」全体の1~10月の県内の被害認知件数は前年同期比で減少しているものの、還付金詐欺の認知件数は22件、被害額は2138万円で前年同期と比べ件数、被害額ともに約2倍だ。

 同課の高橋正樹管理官(52)は「県内では還付金詐欺に加え、オレオレ詐欺の被害も前年比で増加している。予兆電話も連日確認され、年末に向けて一層注意が必要だ」と話している。

 9日からATM内通話自粛啓発

 県警と県内の金融機関などでつくる県金融機関防犯対策協議会は9日から、利用者にATMでの通話自粛を求める「ストップ!ATMでの携帯通話」運動を開始する。

 運動では、還付金詐欺で誘導されるATMで、利用者への呼び掛けを強化するとともに各金融機関の協力を得て、ATM内に「STOP!ATMでの携帯通話」と記載されたポスターを掲示するなどして、被害の水際防止を図る。

還付金詐欺の傾向や手口