請戸小のピアノ、双葉・伝承館で展示へ 初日は卒業生校歌演奏

 
10日の展示開始に向け調律されるピアノ=8日午後、双葉町

 東日本大震災・原子力災害伝承館(双葉町)は10日、震災当時に浪江町の請戸小にあったグランドピアノの展示を館内で始める。

 関係者によると、ピアノは校舎2階の音楽室にあり、津波は脚柱まで到達したが大きな被害は免れた。原発事故に伴い放置され、潮風にさらされたため、ボランティアが保存活動に当たった。2018年4月に開校したなみえ創成小中で活用されてきたが、蓄積したダメージで調律が難しくなった。

 元々は、請戸地区の男性が00年に請戸小に寄贈したものだが、男性は津波の犠牲になったという。さまざまな人々の思いが宿ったピアノを残そうと、伝承館が町から寄託を受けた。

 8日、伝承館にピアノが搬入された。調律したいわき市の荻原政友さん(52)は「弦に潮風の影響と思われるさびが付着していた。掃除をして、皆さんの大切なピアノを復活させたい」と話した。10日午前11時からは請戸小の卒業生が校歌を演奏し、ピアノの音色とともに震災と原発事故の記憶を伝える。問い合わせは伝承館(電話0240・23・4402)へ。