ひき逃げ殺人、殺意否定 三春2人死亡、弁護側が鑑定申し立て

 

 三春町の国道で男女2人を小型トラックではねて殺害したなどとして殺人罪などに問われ、地裁郡山支部の裁判員裁判で死刑判決を受けた本籍伊達市、住居不定、無職盛藤(もりとう)吉高被告(51)の控訴審初公判は9日、仙台高裁(秋山敬裁判長)で開かれた。弁護側は一審判決の殺意認定などに「事実誤認がある」と量刑不当を訴え、検察側は控訴棄却を求めた。次回期日は未定。

 一審では「積極的な殺意はなかった」として殺意の程度を争った弁護側は一転、被告が捜査段階で殺意を認めたことを「(被告の)意見にすぎない」などとし、事件当時、被告に殺意はなかったと主張した。検察側は「弁護人の主張に理由はなく、一審判決は正当」と反論した。

 また弁護側は「被告が当時、正常な判断能力があったのか疑問」とし、事件に至る経緯など心理状態を分析するための鑑定を申し立てた。

 一審判決によると、盛藤被告は昨年5月31日午前7時30分ごろ、郡山市の駐車場で小型トラックを盗み、無免許で運転。同7時55分ごろ、三春町の国道288号で清掃ボランティアをしていた同町の男性=当時(55)=と女性=同(52)=を時速60~70キロではねて殺害し、そのまま逃走した。

 一審は殺意の程度が争点となり、判決は、被告が「被害者を死亡させる可能性が高いと認識していた」とした一方「生死に無関心だった可能性も否定はできない」としていた。