20歳の店員2人...震災復興の力に、柳美里さんの書店再開で奮闘中

 
柳さん(左)と共に「地域のにぎわいに貢献したい」と意気込む関根さん(中央)、白岩さん(右)

 6日に営業再開した南相馬市小高区在住の作家美里さん(53)の書店「フルハウス」で、相双地区出身の関根颯姫(さつき)さん(20)と白岩奏人(かなと)さん(20)の若者2人が店員として奮闘している。2人とも東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の影響で避難生活を経験。住民帰還が進まない小高区で、自身の経験などを生かし「にぎわいに貢献したい」と意気込んでいる。

 関根さんは富岡町の出身。原発事故後はいわき市に避難したが、高校はふたば未来学園高に通った。高校では演劇部に入り、柳さんが作・演出した演劇「静物画」にも出演した。その出会いがきっかけで、営業再開に合わせて書店で働くことを決心した。「柳さんは書店を通して町の復興に携わっている。手助けになれば」と関根さん。「相双地区出身のお客さんと話したり、富岡の良さを語り合ったりしたい」と今後の目標を語る。

 昨年12月からスタッフとして働く大熊町出身の白岩さんもふたば未来学園高の卒業生だ。関根さんと同じように演劇を通じて、柳さんと出会い、書店で働き始めた。まもなく勤め始めてから1年となる。「書店に来店する人は温かい人ばかり。人との触れ合いが楽しい」と振り返る。

 2人は店員として書店案内を行うほか、パスタやケーキなどカフェメニューの調理も担当する。柳さんは「人が一番求めているのは親密さや接触。料理提供を通した味覚も接触の一つで、(被災した)2人だからこそ、訪れた人に提供できる味覚や伝えられる思いがあるのではないか」と話している。