第1原発タンク巡回を公開 東電「情報発信、分かりやすく」

 
模擬的なパトロールを報道陣に公開した東電社員(代表撮影)

 東京電力は12日、廃炉作業が続く福島第1原発で、地震直後に行う現場パトロールの様子などを報道陣に公開した。東電の地震対応を巡っては、2月に最大震度6強を観測した本県沖地震の際、処理水を保管するタンクにずれが見つかる被害があったが、公表を遅らせたため批判が出ていた。

 この日は接地面に横ずれした痕跡が残るタンクの周りで、パトロールを模擬的に実施した。作業員が2人一組で外観やタンクをつなぐ管を指さし確認し、異常がないかどうかを点検した。東電は2月の本県沖地震後、地震によりタンクにずれなどが見つかった場合、翌日までに公表するように対応を見直した。

 ただ、本県沖地震への対応を巡っては、3号機の地震計を故障したまま放置し、公表していなかった事実なども明らかになり、改めて東電の閉鎖的な体質が浮き彫りになった。震度4以上を観測した場合、30分以内に設備の状況などについて地元自治体や原子力規制庁など関係先に通報し、報道機関に対しては一斉メールを送信することにしていたが、タンクのずれは対象にしていなかった。

 東電は「地震ではタンクにずれは生じるもの」「設備の損傷には当たらず水漏れもない」などとして、タンクのずれを公表したのは発見から4日後の2月18日だった。東電は当時の対応について「社会的な視点と社内の判断にずれが生じていた」と述べていた。

 12日の現場公開後、東電の担当者は「社会的に注目される事柄について検討し、分かりやすい情報発信をしていきたい」と語った。県民が求める、透明性を持った情報公開を徹底するという姿勢は、東電にとっては事故から10年半余りが経過した今も課題として残されている。