復興拠点準備宿泊、反対出ず 大熊、いわきで町民に説明

 
12月初旬の準備宿泊開始について説明する吉田町長=13日午前、大熊町

 大熊町は13日、特定復興再生拠点区域(復興拠点)での準備宿泊についての町民懇談会を大熊町といわき市で開き、区域内のインフラ復旧の状況などを説明した。町民からはさらなる放射線量低下を求める声が上がったが、宿泊の実施については反対意見はなかった。町は14日も会津若松市と郡山市で懇談会を開き、住民の意見を踏まえた上で12月初旬を軸に準備宿泊の開始日を決定する。

 準備宿泊は、現在は帰還困難区域となっている復興拠点を、来年春をめどに避難指示解除するために必要な手続き。懇談会には大熊町で約40人、いわき市で約50人が出席した。

 内閣府の原子力災害対策本部の担当者が、放射線量がほとんどの区域で国の解除基準(毎時3.8マイクロシーベルト)を下回ったことや電気、上下水道などのインフラ復旧が完了したことを報告した。併せて、復興拠点全域の立ち入り規制を今月末に緩和する方針も示した。

 意見交換では、町民から復興拠点に関わる質問などが寄せられた。拠点内に自宅を残して、田村市に避難する男性(70)は「家はネズミがすみ着き、居心地が悪くなってしまった。小動物駆除の補助制度を検討してほしい」と訴えた。

 準備宿泊は、町の中心部だった下野上地区など約860ヘクタールで行われる。このうち約630ヘクタールは既に避難指示が解除されたり、立ち入り規制が緩和されたりしている。町によると、準備宿泊の対象は約2200世帯となっている。