復活!磐城ブルー 花園の夢「やっと」、福島県高校ラグビーV

 
10年ぶりの優勝を果たし喜ぶ磐城フィフティーン=13日、Jヴィレッジスタジアム

 コバルトブルーのジャージーが歓喜の輪をつくり、古豪復活を証明した。Jヴィレッジスタジアム(広野町)で13日に行われた全国高校ラグビー大会県大会決勝。昨年は準優勝で涙をのんだ磐城が雪辱を果たし、10年ぶりに県王者に輝いた。

 「やっとです」。磐城の主将を務めるSH上遠野晶太(3年)は先輩たちから託された夢を成し遂げ、込み上げるものを抑えきれなかった。昨年の決勝、4点差で敗れた学法福島を相手に展開ラグビーで上回った。

 上遠野は大会1カ月前、練習中に眼窩底(がんかてい)を骨折した。大会に出場できない恐れもあったが、目を保護するゴーグルを身に着け、芝生に立った。昨年の決勝も2年生で出場したが、終盤にパスのミスを犯し、勝利を逃す一因をつくった。しかしこの試合では前半、ラックから持ち出しトライを決めるなど躍動した。「リベンジを達成できてうれしい」。1年越しでミスを挽回、勝利をたぐり寄せた。

 父も兄も磐城のラグビー部出身だ。兄の峻さん(22)と幼い頃から楕円(だえん)のボールに親しんできた。父に連れられ、全国大会に出場した磐城を花園ラグビー場で応援したこともある。コバルトブルーのジャージーは兄弟の憧れだった。

 兄は2、3年の時に県大会決勝に勝ち進んだが、あと一歩で敗れ、花園の舞台に立つことはできなかった。兄と入れ替わるように磐城に進み、ようやく兄弟の夢をかなえた上遠野。「自分たちの展開ラグビーがどこまで通用するか。多くの思いを背負って花園に立ちたい」。高校ラグビーの聖地で完全燃焼する覚悟だ。

 OB「思いつないだ」

 磐城の10年ぶりの優勝をOBや関係者も祝福した。

 昨年の準優勝メンバーだった伊藤快さん(18)は「思いをつなぎ、昨年の雪辱を果たしてくれた」と後輩たちを祝福した。上遠野の兄峻さんは「(弟は)落ち着いてプレーができていた。磐城のラグビーが花園で見られることがうれしい」と喜んだ。

 10年前に同校を優勝へと導き、現3年が1年の時まで指導した坂本幸司さん(小名浜海星高教)は「感動した。部員が少なく苦しい時期もあったが結果を出してくれてほっとした気持ちもある」と教え子の成長した姿に目を細めた。