福島駅の日常が一変 女性切り付け事件、高校生や買い物客恐怖

 
JR福島駅で実況見分する警察官ら=15日午後4時35分ごろ、福島市

 夕方のJR福島駅西口に突然、女性の悲鳴が響いた。学校帰りの高校生や買い物客らが行き交う15日午後3時50分ごろ、刃物2本を持った男が高齢者の女性を襲った凶行。京王線特急の乗客刺傷事件など鉄道関係で事件が相次ぐ中、「身近な場所でこんなことが起きるとは」と現場に居合わせた多くの人が一様に恐怖を語った。

 二本松市の女子高校生(17)は、傷害容疑で福島署に現行犯逮捕された自称・本籍山形県米沢市、住所不定、無職高橋清容疑者(69)が取り押さえられるまでの一部始終を目撃していた。丸刈りで青いジャケットを着た高橋容疑者が突然、階段の横辺りに座っていた女性を切り付け、日常の光景が一変した。「その後、(切り付けた男を)誰かが突き飛ばしたんです」。状況を語る表情はおびえ、事件の衝撃を物語っていた。

 現場に居合わせた福島市の70代男性は、急いで携帯電話で写真を撮影した。写真には、取り押さえられる高橋容疑者のそばに、刃物2本が落ちていた。「男はふらふらしていた。(福島)駅でこういう事件は聞いたことがない」と不安そうに話した。

 事件現場前のクリーニング店の女性店員(50)は高橋容疑者が女性を切り付けた直後、複数の男性に押さえ込まれる様子が目に焼き付いている。高橋容疑者が女性を刺した後、刃物を持ってふらふらと歩く様子も見ており「(正常とは違う)違和感を感じた」という。福島市の男子高校生(15)は高橋容疑者がパトカーに乗る姿を見た。「男は警察官2人に引きずられるように連れて行かれ、無抵抗だった」と異様な光景を振り返った。

 駅巡回さらに強化

 JR東日本福島支店によると、10月下旬に発生した京王線特急の乗客刺傷事件を受け、同社仙台支社管内では駅構内の巡回の回数を増やしていた。今回の事件を受け同支店の担当者は「駅敷地内の巡回をこれまで以上に強化していく。引き続き警察と連携して抑止力を強化する」としている。

 今回の事件で、列車の運行ダイヤや利用者の駅構内への立ち入りに影響はなかった。同支店は15日から、一部の在来線車内に制服を着用した警察官が実際に乗車するなどして、見守り強化を図っている。