より良い社会実現を誓う 盛岡で新聞大会、座談会やパネル討論

 
被災3県の地元紙の震災担当記者らが意見交換した座談会

 日本新聞協会主催の第74回新聞大会が17日、盛岡市で開かれ、新聞、通信、放送各社の代表者ら約300人が参加し「責任あるジャーナリズムの担い手として、より良い社会の実現に向け、自らの使命を果たしていくことを誓う」とする決議を採択した。地元・岩手日報社の東根千万億(ちまお)社長はあいさつで「(東日本)大震災の逆境を乗り越える気迫を新聞人自ら行動で示すことが大切だ」と述べた。2021年度の新聞協会賞の授賞式も行われた。

 各社の代表による座談会・パネル討論では災害報道について議論。岩手日報社の東根社長は大震災の復興支援として、岩手県外で号外を発行する取り組みを紹介。中国新聞社の岡畠鉄也社長は2006年に自社の記者が災害取材中に行方不明になった教訓から「取材の安全を確保できないうちは(記者を)現場に行かせない」と強調した。

 正しい情報発信し続ける 本社社長、震災報道で重要性訴え

 新聞大会には、福島民友新聞社から中川俊哉社長が出席した。「報道は災害にどう向き合うのか」と題したパネル討論では、震災と原発事故の被災地の地元紙として、震災報道にどのように取り組んでいるかを報告した。

 中川社長は、インターネット上で本県の復興状況などについて誤情報が拡散されている問題に触れ、「誤情報が確認されたとき、その都度誤りを指摘していかないとそのまま広がってしまう」と指摘した。その上で、「地元紙が動かないと小さな誤解が蓄積される」とし、フェイクニュースの誤りを指摘しながら、正しい情報を発信し続けることの重要性を訴えた。

 また、毎月11日に震災の月命日の意味を込めて掲載している「震災特集」や、これまで350回を超えた「坪倉先生の放射線教室」などの取り組みを紹介した。中川社長は、これらの記事を通じて「これからも被災者の声に耳を傾ける、東電や行政に対して物を申し続けるという姿勢を示したい」と決意を述べた。