ドリフト聖地、オフロードに 二本松・エビスサーキット新たな挑戦

 
オフロードコースに改修される南コース。最後のD1を控え、路面状況をチェックする熊久保社長

 車を横滑りさせて走行するドリフトのプロレース「D1グランプリ」の歴史を築いたエビスサーキット(二本松市)の「南コース」が生まれ変わる―。サーキットの未来を見据え、国内外で注目を集める「オフロード」のコースに改修、舗装を生かして通常の土や砂の未舗装路ではない新タイプのコースを造る。世界中のドリフトファンの人気を集めた「聖地」で、新たなチャレンジが始まる。

南コース改修

 南コースは、D1が始まった2001(平成13)年から会場となってきたドリフトの名門コース。最終コーナーからドリフトしながらジャンプし飛び出すのが、他のサーキットにはない迫力があり、ファン憧れのコースだった。しかし一般のドライバーには難易度が高く、衝突の危険性があるため敬遠され、D1でしか使われない状況が続いていた。

 「誰もが気軽に走ることができる」というのがエビスの基本理念。一般の人もプロもモータースポーツを楽しめるコースによみがえらせるために、トヨタ自動車が世界ラリー選手権に参戦するなど、注目を集めるオフロードを選択した。

 ただ、オフロードコースには難点がある。土や砂の未舗装路のために車が走るとコースが荒れ、維持費がかさむ。観客も泥だらけになるため長靴を履かなければならず、気軽に観戦できない。そこで舗装を残したままオフロードコースにすることを思い付いた。

 欧州のプロライダーが舗装の上に砂をまいたコースでオートバイを滑らせて走るトレーニングをしている。それをヒントに、南コースの舗装を約4センチ削り、削りかすをそのままコース上に残して、砂をまいた状態を再現する計画だ。

 エビスは未舗装の土コースでスタートし、オフロードコースは原点だ。ただ全国のオフロードコースは経営難で減少している。熊久保信重社長は「オフロードをする人に受け入れられるかどうかはまだ分からないが、オフロードコースが減る中で受け入れてもらいたい」と期待を込める。

11月20日D1開幕

 ドリフトのD1グランプリ2021シリーズ第5、第6戦は20、21の両日、二本松市のエビスサーキット南コースで行われる。南コースはオフロードコースに改修されるため、同コースでのD1グランプリは最後。ドリフトの「聖地」として親しまれた名物のジャンプドリフトも見収めとなる。