全国90の城郭「鳥瞰図」 描き続けて十数年 郡山の中村敏勝さん

 
鶴ケ城の鳥瞰図を手にする中村さん。目標は「100城制覇」という

 郡山市の中村敏勝さん(73)は十数年にわたり、城を空から見た視点で描く「鳥瞰(ちょうかん)」の制作を続けている。これまでに全国約90の城を描き上げており「仕上がった時の喜びは最高の一言。今は100城制覇が目標です」ときっぱり。節目に向けて創作意欲は高まるばかりだ。

 趣味で日本画を描いていた父の影響で、幼少期から絵が身近だったという中村さん。ケ城など会津の風土を描いた本との出合いをきっかけに「自分でも城を描いてみよう」と筆を執ってみると、城を攻められないための先人の工夫が見えてきた。「今ほど土木技術が発達していない時代に、どうしてここまでのものが造れるのだろう」。気付けば夢中になっていた。

 鳥瞰の制作作業は地道だ。描きたい城がある自治体に資料を請求し、必要な情報がそろわなければ現地に出向いて城跡の周辺を巡ることもある。

 資料ごとに細部の内容が違っているのもざらで、そうしたときは敵襲を防ぐのに最も合理的な設計は何かを当時の視点に立って考え、想像で補う。大切にしているのは、築城当時の姿をなるべく正確に描くことだという。

 1枚を仕上げるのに平均で1カ月を要する重労働だが「できた鳥瞰は自分の子どもみたいなもの。手抜きをすれば後悔しか残らない」。

 国内の有名な城はほぼ描き終えてしまい「最近では、描こうと思う城の資料が集まりにくいのが悩み」と笑った。