最新鋭の石炭火発、広野で運転開始 年間発電量15万世帯分

 
営業運転を開始した広野IGCC発電所(広野IGCCパワー合同会社提供)

 広野IGCC(石炭ガス化複合発電)パワー合同会社は19日、広野町の広野火力発電所敷地内に建設していた最新鋭の石炭火力発電設備「広野IGCC発電所」の営業運転を開始したと発表した。同社によると、出力は54万3000キロワットでIGCCとしては世界最大級という。年間発電量は、一般家庭約15万世帯の年間電力使用量に相当する。

 IGCCは、石炭を炉に入れてガス化させる。そのガスを燃焼させることでガスタービンを回転し発電する。さらに、ガスタービンから生じた高温の排熱をボイラーに導き、その熱で水を蒸気に変えて別のタービンを回して発電する。

 二つのタービンを回すことで発電効率が向上し、従来の石炭火力発電と比べても二酸化炭素(CO2)の排出量を約15%抑えることができる。石炭灰が溶けてガラス状になった物質(スラグ)は、建設資材として再利用する。

 広野IGCCパワー合同会社は、三菱商事エナジーソリューションズ、三菱重工業、三菱電機、東京電力ホールディングスが共同出資し、2016(平成28)年に設立された。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの本県の経済復興や雇用創出を目的に、18年4月に広野IGCC発電所の建設に本格着手。当初は今年9月の運転開始を目指していたが、設備運転の最終確認などに予定よりも時間を要したという。

 広野IGCCパワー合同会社の出資会社などが今年4月にいわき市で運転を開始した「勿来IGCC発電所」と合わせ、建設最盛期の昨年2月には1日当たり最大約2700人の雇用を生み出した。今後も発電所で使う燃料の輸送や定期検査などで、さらなる地元雇用が見込まれるという。

公害防止で協定締結

 運転開始に合わせ、同社と県、広野町は同日付で公害防止に関する協定を結んだ。

 協定では、▽大気汚染防止に関する排出濃度規制として法令より厳しい基準値▽水質汚濁防止対策、化学物質対策、地球温暖化対策▽排出ガス、排出水の自主測定と報告▽操業時に加え、不測の事態発生時の報告、立ち入り調査―などを規定した。書面で協定を交わした。